私はグラウンドカバーとしてクラピアを育てていますが、近くに撒いた植物がクラピアの中に侵入してしまい、繰り返し除草しても取り切れずに苦労しています。
気軽にタネを撒く前に雑草化するリスクを確認しておくことが大切だと強く感じています。

大きくなりすぎたり、思ったほど生長しなかったり。植物を選ぶのは難しいですね。
数年間にわたって植物を育てた経験をもとに、雑草化する危険性のある植物をご紹介します。
「グラウンドカバー」とは
地面や壁面を覆う植物をグラウンドカバー(ground cover plants)または地被植物とよびます。
グラウンドカバープランツは、ほとんど手入れせずに何年も植えっぱなしにできるのが理想です。
グラウンドカバーは、平面や斜面を密に覆うことで雑草の生長を抑えたり、雨や風で土が流れ出るのを防いだりする役割も果たします。種類を問わず、樹高や草丈が低い植物や、刈り込んで60cm程度に維持できる植物が含まれます。
具体的には、草本類、低木類、つる植物類、シバ類(芝生用植物)、ササ類、コケ類、シダ類などがこれに該当します。
グラウンドカバーのメリット
グラウンドカバーには美しい花や葉を持つ植物が使われますが、それらが想定された効果を発揮して初めて、グラウンドカバープランツとしての意味を持ちます。
- 「雑草対策」としてのメリット
地面を密に覆って雑草を生えにくくする
- 「景観・環境」としてのメリット
根を深く張り、土をつかんで、土壌の流出や飛砂を防ぐ
太陽の照り返しを防ぎ、気温上昇を防ぐ(ヒートアイランド現象の緩和)
雨や霜柱などによる「ぬかるみ」を防ぐ
- 「メンテナンス」上のメリット
手入れの手間が少なくてすむ
根を張った後は夏でも水やりの必要がない
雑草化する危険性が高いグラウンドカバー
タネや苗で販売されているので、撒く前・植える前に確認しましょう。
草本類
植物の葉や茎で地面を低く密に覆います。特に、花や葉の色や形が美しい球根植物や多年草(宿根草)がよく選ばれます。
| 草本類 主に栄養繁殖する | 雑草化の危険性 |
| アークトセカ(キク科) | 大 |
| シュッコンバーベナ(クマツヅラ科) | 中 |
| セダム類(ベンケイソウ科) | 大 |
| ポテンティラ(バラ科) | 大 |


| 草本類 主に種子で繁殖する | 雑草化の危険性 |
| シロクリーバー(マメ科) | やや大 |
| ダイカンドラ(ヒルガオ科) | やや大 |
| バーズフットトレフォイル(マメ科) | やや大 |
| ローマンカモミール(キク科) | 中 |


低木類(木本類)
樹高の低い植物や刈り込むことによって樹高を低く抑え、地面を密に覆います。
| 低木類(木本類) | 雑草化の危険性 |
| イワダレソウ(クマツヅラ科) | 大 |
クラピアとヒメイワダレソウ
クラピアは、イワダレソウ(在来種)をグランドカバーに適した性質に品種改良した植物です。
現在、3種類(K3,K5,K7)のクラピアが市販されています。タネができない不稔性です。
ヒメイワダレソウ(リッピア)は外来種で、環境省が定めた『我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト』で指定されている「対策の必要性が高い重点対策外来種」です。

クラピアは不稔性のため、想定していないところで芽を出すことはありませんが、横に成長するスピードが早いので、短い期間に地面を被覆します。クラピアは耐踏圧性が高く、踏まれたほうが被覆が密になって雑草が生えにくくなります。
つる植物類
地表面やほかの物に絡まる(巻き付く)、吸い付く、這うなどしながら生長します。塀や壁の緑化に役立ち、日差しを遮るグリーンカーテンとしても利用できる植物もあります。
| つる植物類 | 雑草化の危険性 |
| ビンカ マジョール(キョウチクトウ科) | 中 |

繁殖力と生長スピードの見極めが大事
繁殖力が強い植物は雑草化するおそれがある
私が育てたクラピアやダイカンドラがその代表です。
被覆が早いというメリットが裏目に出ることもあります。
クラピアは非常に生長が早いため、狭い場所のグラウンドカバーには適していません。はみ出したランナーの定期的な刈り取りが必要です。ハサミで切れますが、面倒といえば面倒です。
横方向に生長するスピードが早いことを考慮に入れておくことをおすすめします。

ダイカンドラは茎や根が細く、ちぎれた根茎からも発芽します。
手作業での除去が難しく、クラピアやシバザクラなど草丈が低い植物の中に侵入すると、取り除くのに手間がかかります。
ホームセンターにもタネが並んでいますが、気に入らなかったときの回復方法を検討してからタネを撒くことをおすすめします。
生長が遅い植物は雑草に負けるおそれがある
成長スピードが遅い植物にもデメリットはあります。
例えば、タマリュウの矮性種であるヒメリュウは非常に成長が遅く、サイズは植えたときのままでほとんど変化しません。そのため、植えたときの状態を長い間保つことができて、刈り取りの手間も省けますが、植え付ける際に少しでも隙間を空けてしまうと雑草が入り込んできます。マット栽培の苗を使うのがよいですね。

植物の特性にあわせることが大切ですが、思ったようにいかないのが面白いとも言えるし、面倒だとも言えますね。
<参考>
*1.有田博之・藤井義晴編『畦畔と圃場に生かすグランドカバープランツ』農文協、1998年
*2.近藤三雄著『最新グランドカバープランツ』誠文堂新光社、2014年
*3.能勢健吉著『花と緑のグラウンドカバー』日本放送出版協会、1996年


