直島で魅了された「ザ・ウォール/空の庭」展を見て、千住博さんの美術館が中軽井沢にあることを知り、12月の初めに訪れました。
標高約1000mの高原地帯に位置する軽井沢は、冬が早く、街全体から本格的な雪の季節が迫っている雰囲気が漂います。中軽井沢駅に到着すると、観光客はほとんどおらず、地元の人々もまばらです。冬季は多くの店が閉まっているため、事前に確認が必要です。
初冬の中軽井沢-ハルニレテラスと千住博美術館
中軽井沢駅からハルニレテラスまで徒歩で約20分(1.7km)。いたって普通の一本道で観光客向けの店はほとんどありません。人通りは少なく、途中で会ったのは中国か韓国からの観光客と思われるグループだけでした。
ハルニレテラスは“星野エリア”と呼ばれる星野リゾートのホテルや教会などがあるエリアにあります。レストランやカフェ、食品・クラフト・家具など特色のある専門店が入る低層の建物をウッドデッキがつないでいます。
軽井沢で人気のエリアですが、さすがに冬は閑散としています。人影がポツリポツリ…といった感じです。
店先でくるみが売られていたり、クリスマスの飾り付けがされていたりで、いろんなところから秋の終わりと冬のはじまりを感じます。
軽井沢で創業したコーヒー店、丸山珈琲の静かな店内でコーヒーを楽しむと、オフシーズンならではのリラックスした雰囲気を満喫できます。こんなもの悲しい雰囲気の軽井沢もいいものです。
ハルニレテラスから千住博美術館まで45分(3.1km)です。ちょっとした距離があります。
中軽井沢駅に戻る途中に地元で愛される由緒正しい香りする洋食店があったので、ここでランチをして千住博美術館まで歩きます。
夏には行列ができる駅前のそば店かぎもとやもこの季節は静かです。
野菜の直売所の店先に蒔が積まれていました。別荘向けでしょうか。
軽井沢千住博美術館は建物を囲むようにある樹木や植物が印象的な美術館です。ガラスの壁面が自然に溶けこむような軽さがあります。建築家、西沢立衛さんによるものです。
中央の展示室には照明がなく、ガラス越しに届く自然光で作品を観ているように感じられます。
作品と作品をつなぐ壁には、自然光で樹木や草花が見える“光庭”が設けられ、自然と作品が斉しくそこにあるという印象を受けました。
建物の周囲に人影がなく、作品と作品をつなぐ空間に見えるのが樹木や植物だけだったので、その印象を強めたかもしれません。
夏季は軽井沢駅と南軽井沢を結ぶバスが運行され、千住博美術館まで13分で到着します。
6月には軽井沢駅周辺と旧軽井沢を3時間自転車でめぐっています。
軽井沢に行く(東京からのアクセス)
JR在来線を使う場合は、横川駅(群馬)でバスに乗り換えます。
中軽井沢に行くには、軽井沢駅でしなの鉄道かバスに乗り換えます。
- 東京駅→北陸新幹線→軽井沢駅[1時間~1時間20分]
- 池袋駅→高速バス(西武観光バス)→軽井沢駅[約3時間]
- 上野駅→JR高崎線→高崎駅(乗り換え)→JR信越本線→横川駅(乗り換え)→バス(JRバス関東)→軽井沢駅[約3時間]
<参考>
*1.Pen「軽井沢の森へ」CCCメディアハウス、2018年6月1日号