気温が上がると次々と生えてくる雑草は、本当に困りものです。
抜いても抜いてもキリがないほど生える雑草対策に効果を発揮するのが草刈機(刈払機)です。
草刈機といっても、様々な種類があり、価格帯も幅広いので、初めて使う方にとっては、どれを選べばよいか迷ってしまうのではないでしょうか。
私が毎年草刈機を使ってきた経験をもとに、初心者向けの選び方や草刈りの時期、おすすめのモデルを詳しくご紹介します。
「充電式草刈機」を検討しているあなたに!
どの草刈機を選べばよいか迷っているなら『充電式草刈機の売れ筋比較』をチェック!
・樹脂刃・ナイロンカッター専用モデル
・金属刃専用モデル
・高機能モデル
など、住宅周辺や庭での使用に適した人気の充電草刈機をご紹介しています。
草刈機を使うメリット
草刈機を使う目的は、雑草の草丈を短くすることです。
草刈機を使うことで、少ない労力で広い面積の雑草を目立たなくすることができます。
また、定期的に草刈りを行うことで、雑草を生えにくくすることができます。
草刈りを行うタイミング
雑草には1シーズンで枯れる一年生雑草と翌シーズンも芽をだす多年生雑草があります。
一年生雑草(一年草)
一年生雑草は種子で繁殖します。種子をつけないようにすれば、翌年の発芽を抑えることができます。
多年生雑草(多年草)
一度発芽して生長すると、毎年花を咲かせます。
増えるのを許してしまうと取り除くのにものすごく手間がかかるのがこの多年生雑草です。
地上部(茎や葉)と地下部(根茎や球根)のバランスを考慮して草刈りを行うと効果的です。*1
蓄積した栄養分(糖分)が地下部に移行し始める7月下旬~8月ごろ。
この時期に刈り取ることで、地上部が蓄えた栄養が失われるだけでなく、新たな芽の成長に地下部の栄養が必要になります。多くの多年生雑草は7月下旬~8月ごろですが、スギナはもっと早い時期です。
地上部から地下部への養分(糖)の移行が盛んになると推定される10月下旬~11月にかけて。
[まとめ]草刈りを行うタイミング
6~9月の間は、3週間~1か月に1回のペースで草刈りを行うのが理想です。
雑草が生長する6月に1回目、7月下旬~8月の間に2回草刈りを行います。
さらに、10月下旬~11月に4回目を加えると効果的です。
草刈機の種類と選び方
「エンジン草刈機」はガソリンや混合燃料を使用し、金属刃やチップソーを備えた製品が一般的です。
一方、「電動草刈機」には家庭用コンセントを利用するタイプと、バッテリーを使用する充電式があります。
エンジン草刈機
エンジン草刈機はパワー(出力)が大きく、太い茎や密集した雑草も容易に刈ることができますが、重いため操作しにくく騒音もあるため、住宅地などでの使用には向きません。
燃料には、液体燃料(ガソリンや混合燃料)を使用します。
電動草刈機(電源コード式・充電式)
モーターで動く「電動草刈機」は、軽くて操作しやすいという特長があります。
ナイロンカッターやプラスチックブレード(樹脂刃)など安全に配慮した刃を使用する製品が多くあります。
電源コード式
電源コード式草刈機は、安定した電力供給で時間を気にせず作業できるのが大きなメリットです。エンジンやバッテリーを搭載していないので、たいへん軽く、力のない人でも簡単に操作できます。
作業エリアが限られるため、広いエリアを刈る場合は延長コードが必要です。コードの取り回しは手間がかかるため、障害物の多い場所での作業には向きません。
充電式
充電式草刈機はリチウムイオンバッテリーを電源しているため、コードの取り回しやコンセントの位置を気にする必要がなく、どこでも手軽に作業できるのが最大のメリットです。
バッテリーを充電しておけば、スイッチを操作するだけで簡単にオンオフを切り替えられるため、気になる雑草を手軽に処理できます。
草刈機の運転時間は、バッテリー容量や刃の回転速度によって変わります。
高速と低速を切り替えられる製品もあり、適切な回転速度を選択することで運転時間を調整することができます。
[まとめ]草刈機の種類と選び方
エンジン式はパワフルで広い範囲を一度に刈り取ることができますが、音や振動が大きいため、近隣への配慮が必要です。
一方、電動式はエンジン式よりパワーは落ちますが、静かでメンテナンスが容易ですので、住宅の周辺や庭の手入れに最適です。
動力源 | エンジン | 電動 電源コード式・充電式 |
メリット | ・出力が大きいので、どんな草でも容易に刈れる | ・燃料を入れる必要がない ・軽いので力がいらない ・簡単にオンオフを切り替えられる ・音が静か |
デメリット | ・電動と比べて重く操作しにくい ・音がうるさい | ・エンジンと比べて出力が小さいため太い茎や密集した雑草には向かない |
草刈機の刃と選び方
金属刃・チップソー
金属刃
金属刃には2~8枚の刃があり、刃の数が少ないものは広いエリアの草刈りに適しています。一方、刃の数が多いものは茎が太くて硬い雑草や密集した雑草を刈るのに向いています。
金属刃は価格が手頃なのが魅力ですが、石やコンクリートなどの障害物に当たった際の反動が大きいため、注意深く操作する必要があります。
チップソー
チップソーは金属の円盤にチップと呼ばれる刃を埋め込んだカッターです。
チップは硬質の金属でできており、茎が太くて硬い雑草や密集した雑草を簡単に刈り取ることができます。
片刃は雑草を刈るのに適しており、草の飛散が少ないのが特長です。両刃や千鳥刃は竹や小枝を切ることができます。
プラスチックブレード(樹脂刃)
樹脂刃はナイフの切れ味とプラスチックの柔らかさを併せ持っています。金属刃やチップソーと比べると切れ味は劣るものの、ナイロンカッターよりも切れ味がシャープです。
障害物に当たった際の反動が金属刃と比べて少なく、安全性に優れています。逆方向に刃が跳ねるキックバックも起こりにくいため、切れ味と安全性の両立を実現しています。
刃が欠けたり摩耗したりした際には、簡単に刃を取り替えることができます。
ナイロンカッター(ナイロンコードカッター)
柔らかいナイロン製のコードを高速で回転させることで、雑草を細かい破片に切り刻みます。金属刃のように草を一刀両断するのではなく、柔軟性のあるナイロンコードが雑草の茎や葉を引き裂きます。
この柔らかさのおかげで、塀や壁に触れても傷つける心配が少なく、塀や壁のキワまで刈り込むことができます。また、回転しているコードが長靴などに触れても怪我のリスクが低いため、安心して作業ができます。
スプール(糸巻)に巻き付けたナイロンコードの先端を使って刈り取るタイプと、10cmくらいナイロンコードを草刈機に差し込んで使うタイプがあります。
[まとめ]草刈機の刃と選び方
- 草刈機を使う場所をイメージしてください。
塀や壁、樹木の周りなど、傷つけたくない場所の草刈りや庭の手入れには、ナイロンカッターやプラスチックブレード(樹脂刃)が適しています。
- 体力に自信のない方は草刈機の重さをcheckしてください。
バッテリーを含めて2Kg台なら女性や体力に自信がない方でも無理なく操作できます。
刃 | 金属刃 | 樹脂刃 (プラスチックブレード) | ナイロンカッター (ナイロンコードカッター) |
形状 | ・円盤状の金属刃 ・円のまわりに硬い刃(チップ)を埋め込んだものをチップソーと呼ぶ | ・小型ナイフのような形状の樹脂(プラスチック)製の刃 | ・ナイロン製のコード(ひも) |
メリット | ・茎が太くて硬い雑草や密集した雑草を容易に刈れる | ・切れ味が悪くなったら簡単に取り替えることができる ・金属刃より安全でナイロンコードより切れ味がいい | ・安全性が高く扱いやすい ・摩耗したら切り取ったり取り替えたりできる |
デメリット | ・刃の取り扱いに注意が必要 ・刃の回転方向の反対側へ跳ね返る「キックバック」が起きることがある | ・金属刃より切れ味が劣る ・草の破片が取り散りやすい | ・茎が太くて硬い雑草や密集した雑草には向かない ・草の破片が飛び散りやすい |
【2024年】初心者にオススメ!楽に使える“軽量”充電式草刈機
Amazonの売れ筋ランキングから、住宅周辺や庭の作業に最適な軽量の充電式草刈機を選びました。バッテリーや刃など消耗品の入手しやすさも、草刈機を選ぶ際の重要なポイントです。
住宅まわりや庭の手入れに最適な「1万円台」
アイリスオーヤマ JGT230 「ナイロンカッター」モデル
家電事業に力を入れているアイリスオーヤマの軽量(2.0kg)草刈機です。
ナイロンブレードを高速(8,000回転/分)で回転させてパワフルに草を刈り取ります。1充電の運転時間が約50分なので、やや広めのエリアの草が刈れます。価格が手ごろなので、充電式草刈機の入門に適しています。
庭木の刈りこみに使うヘッジトリマーをセットした別の製品もあります。
マキタ(Makita) MUR100DSH 「プラスチックブレード(樹脂刃)」モデル
電動工具国内シェアNo.1マキタの超軽量(1.8kg)の樹脂刃モデルです。高速(10,000回転数/分)で刃を回転させ、草を素早く刈り取ります。グラウンドカバーの刈り込みに最適です。
ナイロンカッターの部品(別売)に付け替えることもできます。運転時間は樹脂刃約21分、ナイロンコード約15分とやや短めです。
高儀(Takagi)SL-GGT160-AS 「2WAY(チップソー・プラスチックブレード)」モデル
工具や園芸用品を販売する高儀EARTH MANの充電式草刈機です。
2種類の刃(チップソーと樹脂ブレード)が使える2WAYタイプの超軽量(1.7Kg)モデルです。
チップソー6,600回転/分、樹脂ブレード6,800回転/分で、運転時間は約20分です。
密集した雑草がある場所はチップソーで、住宅や樹木のまわりは樹脂ブレードに付け替えるといった使い分けができます。
広い面積を1充電で刈れるパワフルな「2万円台」
マキタ(Makita) MUR193DSF 「ナイロンカッター」モデル
マキタの「静音」充電式草刈機です。
軽量(2.4Kg)ながら、ナイロンカッターを高速(7,800回転/分)で回転させるパワフルなモデルです。1充電で駐車場10台分が刈れるので、やや広めのエリアをナイロンカッターで刈り取りたい方に最適です。ナイロンカッターに特化しているのでマキタの他のモデルより価格が抑えられているのも魅力です。
ナイロンカッターに絞れるなら個人的にはイチオシです。
※運転時間は無負荷時の参考値です。充電状態や雑草の硬さや密集の度合いによって変わります。
<参考>
*1.伊藤操子著『多年生雑草対策ハンドブック 叩くべき本体は地下にある』農文協、2021年