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困りもののツル草を撃退!つる性雑草の取り除きコツ

困りもののツル草を撃退!つる性雑草の取り除きコツ

植栽やフェンスに絡む“つる草“は困りものです。
つる草(つる性雑草)は生長するスピードが早い特徴があります。気が付いたときには植物にぐるぐる巻きついていることが多く、植物に巻き付いたツル(茎)を取り除くのはかなり手間がかかります。

毎年の草取りの経験から、初夏から梅雨の時期に生長するつる性雑草を取り除くコツをご紹介します。

つる性雑草にはこんなものが

つる性雑草には、生育に適さない季節を地下茎や球根で生存する多年草(多年生雑草)が多く、一度繁殖を許してしまうと取り除くのが難しくなります。

  • クズ・葛(多年草)
    クズは急速に成長し、他の植物を覆い尽くすことで知られています。
    宅地造成時に持ち込まれる客土に混ざった茎や根から発芽することがあります。
    除草剤に対する抵抗力が強いため、小さいうちに根元から掘り起こして土ごと処分するのが効果的です。
クズ
  • ヘクソカズラ(多年草)
    ヘクソカズラは、花や葉、茎を傷つけると嫌な匂いを放ちます。夏には中心が赤紅色の白い小花を咲かせ、秋には小さな実をつけます。根元から除去するのが理想ですが、根元が見つからない場合は茎を切り、花が咲かないようにするのが良いでしょう。
ヘクソカズラ
  • ヤブガラシ・藪枯(多年草)
    ヤブガラシは強い生命力を持ち、他の植物に絡みついて成長します。夏には淡緑色の小さな花をたくさん咲かせ、その後紫黒色のブドウ形の小さな実をつけます。絡まったツルをたどって地下茎を掘り起こし、処分することが必要です。
ヤブガラシ
  • ガガイモ(多年草)
    ガガイモは細くて長い地下茎を持ち、横に伸びた根から次々と茎を出して繁殖します。ハート形の葉を持ち、夏には中心部が薄紫色の白い小花を咲かせます。地下茎を完全に除去するのは難しいため、地表近くで茎を切り、花が咲かないようにします。
ガガイモ
  • アレチノウリ(一年草)
    北米原産の帰化植物であり、生態系を脅かす特定外来生物に指定されています。ツルで他の植物に絡みつき、急速に成長して日光を遮るため、周囲の樹木を枯らすこともあります。成長しないうちに根元から取り除くことが重要です。
アレチノウリ

つる草(つる性雑草)の除草方法

初夏から梅雨にかけて、ヤブガラシ、アレチノウリ、ヘクソカズラなどつる性雑草が生長します。他の植物に絡みつくことで光合成を行い生長します。
中には茎の破片から再生するものもあるので、小さいうちに取り除くことが肝心です。
植栽やフェンスに絡みつく前のつるが若く柔らかいうちに、根元を探して取り除きます。

絡んでしまったときの除草

樹木や草花に絡んでしまった場合、除草剤を噴霧するわけにはいきません。つる性雑草以外に薬剤が付着しないように注意が必要です。

葉から吸収して根まで枯らす液体の除草剤(茎葉処理剤)を使用します。

  • 植栽からつる草を引き離す
    つる草を手前に引き出します。このとき、つるを切ってしまわないように気を付けて行います。
  • 葉の表裏に除草剤を塗る
    ハケを使ってつる草の葉に除草剤を塗ります。
ツル性の雑草に除草剤をハケで塗る
Before
  • 塗布したまま放置する
    薬剤が根に浸透するまで時間がかかるので、そのまま放置します。
    効果があらわれるまでの期間は薬剤によって異なるので、放置して待ちます。
ツル性の雑草に除草剤をハケで塗る(アフター)
After

つる性雑草に効果が高い除草剤

広葉雑草に選択的に効果を示す合成オーキシン系の除草剤が、つる性雑草に特に効果が高いとされています。

  • 合成オーキシン(インドール酢酸様活性)
    植物ホルモンのバランスをかく乱して枯らす除草剤で、つる性雑草や多年生広葉雑草に高い効果を示します。薬害が出やすいので、枯らしたくない植物が近くにあるときは特に注意が必要です。
化学グループ主な商品名
安息香酸(合成オーキシン)バンベル-D
フェノキシカルボン酸2,4-Dアミン塩、MCPP、MCPソーダ塩、粒状水中2,4-D、粒状水中MCP
ピリジンカルボン塩ザイトロンアミン
『今さら聞けない除草剤の話』農文協、2021年より抜粋

春夏は庭と畑で雑草に追われる日々。
その合間をぬって日帰りか一泊くらいの鉄道旅。

グラウンドカバーにクラピアを育て、畑は小さな家庭菜園。
一人で快適に暮らす方法なんかも考えています。
自己紹介

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<参考>
*1.神津博監『草取りのコツ』ナツメ社、2023年
**2.伊藤操子著『多年生雑草対策ハンドブック』農文協、2020年

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