ハサミが届かない枝の剪定は骨が折れますね。
シンボルツリーではありませんが、家の周囲にスモモなどの樹木が数本あり、これらの剪定が秋の私の仕事です。高枝切バサミを持ってはいるのですが、思うような働きをしてくれないので、毎年脚立で作業していますが、脚立を出す時点で面倒くさくて、なかなか作業に取り掛かれません。
もっと楽に剪定できないか考えていたときに知ったのが、ロープ式高枝切バサミです。
毎年の高枝剪定の経験から、高枝切バサミの事実をご紹介します。
高枝切バサミには2種類ある
「高枝切バサミ」には大きく分けて次の2種類があります。
- ハンドルを握って刃を動かして枝を切るタイプ
- 刃に取り付けたロープを引いて枝を切るタイプ
高枝採取バサミ
1つ目のタイプは、果実や枝を挟む機能が付いていることが多く、「高枝採取バサミ」とも呼ばれます。
このタイプは軽くて持ち運びが楽ですが、切る枝を固定できず、刃に強い力をかけにくいので、太い枝は切れません。
私が持っていたのもこのタイプで、重量は1kg以下でした。
細い枝は切れますが、枝を次々に切らなければならない剪定作業には向きませんでした。
ロープ式高枝切バサミ
私が最近手に入れたのが、ロープを引いて枝を切る「ロープ式高枝切バサミ」です。
このタイプなら直径20mm程度の太い枝を切ることができます。
1.5kg前後とやや重い製品が多く、ポールを支える腕の力が必要です。先端部分が重たく感じます。
ノコギリの下にあるのが刃です。
ノコギリは取り外し可能なので、重たければ外します。
電動の高枝バリカンなら力を使わずに枝を切れそうだと思ったのですが、どの製品も重さが2kg以上とさらに重く、重いポールを支えながらゆらゆら揺れる枝を切るには、慣れと体力が必要そうです。考えた末に「ロープ式高枝切バサミ」を選びました。
電動の刃物は慎重に扱わないと事故につながるので、“手動”を選びました。
また、重い道具は体力を消耗させるので、体力に自信がない方は、重量チェックは欠かさずに!
ハサミの切れ味を保つポイント
樹液などで濡れたハサミをそのままにしておくと、錆びてあっという間に切れ味が落ちます。
切れ味を保ち、長く使用するには使用後の手入れが大切です。
使用後は必ず水分をふき取る
使用後は刃に付着した樹液や樹脂の汚れをきれいにふき取ります。
汚れがひどいときは、水やぬるま湯で洗って、しっかりと乾燥させます。
病気の植物を剪定した場合は刃を消毒する
使用後は次亜塩素酸ナトリウムを水で薄めた塩素消毒液で刃を消毒します。
塩素酸ナトリウムを含む家庭用塩素系漂白剤(花王ハイターなど)でも代用できます。
切れ味が落ちたら刃を研ぐ
刃の角度に注意しながら、砥石や専用の研ぎ器を使用して刃を研ぎます。
植物に与えるダメージを減らすことができます。研ぎ終わった後は、刃の表面をきれいにふき取ります。
オイルを塗る
刃やボルト部分に適量の潤滑油を塗ることで、滑らかな動作を保つことができます。
塗った後は、余分な油を布で拭き取ります。
油を塗って保管すれば来シーズンも最適な状態で使用することができます。
剪定する時期
剪定とは、樹木の枝の不要な部分を切り取る作業のことです。
樹形を美しく整えるだけでなく、新芽を出させる、病害虫を予防する、花や実を大きくさせるなどの目的があります。
落葉樹の樹形をコンパクトに整える剪定は、葉が落ち休眠期に入る晩秋から翌年の春の芽吹き前までに行います。ただし、カエデ(モミジ)は例外で、水を吸い上げはじめた樹を剪定すると枯れてしまうので、冬になる前に剪定します。
常緑樹は真夏と真冬を避けて、早春から初夏までに剪定するのがよいとされています。
<参考>
*1.園芸文化協会著『園芸道具の選び方・使い方「コツ」の科学』講談社、2020年