見た目がよくないので敬遠していた防草シートですが、マルチングした庭にグラウンドカバーとしてクラピアを植えたことで防草シートの有効活用に目覚めました。
植物の陰になる場所に敷いたところ、今年は草むしりの手間がぐっと減りました。見た目がよくないというデメリットを補って余りあるくらい防草シートは有効な雑草対策ツールです。
次から次へと生える雑草に「もう草取りしたくない!」と思ってしまいます。
私が庭に防草シートを敷きまくった経験をもとに、防草シートの活用方法をご紹介します。
防草シートとは
手作業で雑草を取り除く場合、定期的に草取りをするのがベストです。
しかし、作業が面倒でつい後回しにしてしまい雑草だらけの庭が誕生してしまうのも珍しくありません。
防草シートを使うことで、光を遮断して雑草が生えない環境をつくり、草取りの労力と作業時間を減らすことができます。防草シートの多くは光を遮る黒ですが、土の色に似た茶、芝生に似た緑をしたものもあります。
庭の広い範囲にシートが敷かれていると見た目がよくないので、目につきにくい場所に敷いたり、シートの上に玉砂利やバークチップを敷くことでカバーできます。
日陰なのでグラウンドカバーを植えることはできず、雑草だけが生えるスペースに防草シートを敷きました。奥行0.5mだけですが、横に長く雑草が防げるので、これだけでも草取りがずいぶん楽になります。敷いたのは不織布タイプです。
防草シートの種類
防草シートのいちばんの特長は遮光性です。日光を遮断することで、雑草の生長を防ぎます。
浸透性があり、雨水を通すので水たまりをつくることはありません。
たいへん便利な防草シートですが、ダイソーなど100円ショップで取り扱っているものから造園のプロが使うものまで千差万別、価格もピンキリあります。
防草シートの密度(目のつまり具合)によって、遮光性による防草効果や取り替える頻度に違いがでるのです。
密度の違いによる特徴 | ←密度が低い | 密度が高い→ |
遮光性 | 低 | 高 |
耐久性 | 低 | 高 |
取り替え | 多 | 少 |
価格 | 安 | 高 |
防草シートは紫外線や風雨によって劣化しまうので、耐久年数もさまざまです。
遮光性と耐久性が高い防草シートは、やはり価格が高くなります。
価格は遮光性×耐久性に比例するというのが私の印象です。
防草シートには「織布」と「不織布」がある
私は2種類の防草シートを使っています。
- 「織布」の防草シート
家庭菜園の雑草・ぬかるみ対策 - 「不織布」の防草シート
(1)不織布・高密度:庭の目立たない場所の雑草対策
(2)不織布・通根性:グラウンドカバー(クラピア)の雑草対策
という使い分けです。
クラピアのマルチングには通根性防草シートを敷き、それ以外は耐用年数が長いものを選んで使うようにしています。
織布と不織布には、このような違いがあります。
織布シート:密度が低く価格も安め
- 縦糸と横糸を編んだもので、ポリプロピレン(PP)が使われていることが多いようです。
- 織物なので切れ端がほつれます。
- 織布タイプの多くは光沢があります。古くなると光沢は減りますが、新しく敷いたばかりの防草シートは太陽の光を反射してテカテカ光ります。
- 縦に等間隔で線が入っているものが多くあります。(薄い色糸が織り込まれている)
- 薄いので経年で穴が開きやすく、そこから雑草が生えたりします。
不織布シート:密度が高く見た目もよいが価格が高め
よく知られているデュポン社のザバーンはポリプロピレン製です。
- ポリエステルやポリプロピレンなどの繊維を接着してシート状にしたものです。織布タイプと比べて厚みがあります。
- 織物ではないので、ハサミで切っても端がほつれません。
- 織布の防草シートと比べて価格が割高です。
- テカテカ光らないマットな質感のものがあります。
- 織布タイプと同様、縦に等間隔で線が入っているものもあります。
- 織布タイプと比べて強度が高く、耐用年数が長いのが大きな特徴です。
砕石や砂利などを上に敷き、防草シートが日光や雨風に直接さらされなくすることで、半永久的に使用できることをうたっている製品もあります。
私はポリプロピレン素材の防草シートを使っていますが、テカテカ光ることはありません。
「不織布」防草シート
不織布防草シートも様々ありますが、長期使用しないと品質がわからないのが難しいところです。
ザバーンはポリプロピレン4層構造のスパンボンド不織布で厚さ0.64mmです。
加水分解しない素材なので、経年でボロボロになったり表面がベタベタしたりしません。
クラピアのマルチングに使っている通根性防草シートです。
表がポリプロピレン不織布と裏が織布の二層構造で、クラピア被覆下で耐用年数約10年をうたっています。
この春、板塀とのすき間に不織布タイプの0.5m幅の防草シートを敷きました。樹木の間にしゃがんで草取りをするのが手間だったので、見た目を割り切って防草シートを敷きました。いまはグランドカバーが覆ってシートが目立たなくなりました。
防草シートの張り方
防草シートを張るのに最適な時期は、雑草が枯れる秋から冬にかけてです。冬に強風が吹いたり、雪が降る地域は秋の間に張っておくと安心です。
多年生雑草が多く生えている場所に張る場合は、夏の間に除草剤を使って枯らしておきます。
防草シートを張る前の準備
- 草取りを行う
多年生雑草の根が残っていると、防草シートの脇から発芽します。また、硬い雑草の茎が残っていると防草シートが傷んで穴があく原因になるため、事前にしっかりと取り除きます。 - 土を平らにする
土に凹凸があると、雨風で運ばれた土が凹んだ部分に溜まり、雑草が生えやすくなるので、できるだけ平らに整地します。
シート上に溜まった土に雑草が生え、根が防草シートを貫通して穴をあけることがあります。
防草シートをすき間なく貼る
防草シートを2枚以上貼る場合は、すき間を空けないように注意します。
シートを5~10cm重ねて貼ると安心です。
見た目にこだわる
防草シートの見た目が気になる場合は、人工芝や化粧石、ウッドチップを敷き詰めます。
光を遮る効果も高まります。
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<参考>
*1.神津博監『かんたん!らくらく!草取りのコツ』ナツメ社、2023年