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なぜ私は一人旅をするのだろうと、とある猛暑日に考えた。

なぜ私は一人旅をするのだろうと、とある猛暑日に考えた。

道東(知床・釧路・根室)を鉄道で旅して以来、けっこう国内を一人旅してきました。
道東に行く前から京都には一人で出かけていましたが、ちゃんと旅行計画を立てて、一人で旅行したのは道東がはじめてでした。誰かを誘ってもよかったのですが、このときはあえて一人旅を選んだように記憶しています。

何が楽しくて一人で旅に出るのでだろう?
猛暑というか激暑の日が続き、日中は室内にいることが増えているので、一人旅の魅力について考えてみます。

一人旅って何が楽しいの?

鉄道雑誌で「だから私はひとり旅に出る」という記事を見つけました。
ライターやカメラマンなど旅のプロが一人で旅に出る理由、一人旅の魅力を語っています。

予定や行先を自由に決められる、自分の意思だけで旅ができる、自分の興味に忠実に時間が使えるなど、誰にも気兼ねせず自由気ままに過ごせるのが一人旅の大きな魅力だという人は当然ながら多いですね。

ひとりきりになる時間=孤独を楽しむことが一人旅の魅力だと語る人もいます。
話す相手がいない一人旅は寂しいこともあるけれど、旅先での出会いがうれしく大切に感じられると。

ひとりでいる時間が自分自身を見つめ直す時間になるという人もいます。
違った環境に自分をおくことで悩みとじっくりと向き合うことができ、旅が終わるとさっぱりとした気分になっているといいます。

釧網本線

旅のプロのみなさんの意見はうなずけるものばかりなのですが、さて、私はなぜ一人で旅に出る(出た)のだろう?

私はなぜ一人で旅に出るのだろう?

稲垣えみ子さんが自作の梅干しについて書いたコラムを読んで、私の一人旅をはじめた理由はまさにこの梅干しでした。

でも、たまに食べれば十分という気持ちもわかるのよ。だって梅干しって強烈すぎるもん。私もよく考えたら毎年大量に仕込むから毎日食べざるをえず、好きにならざるをえなかったんだよね。あるものを好きになる。案外大事。

稲垣えみ子「最近はやりの『手軽に梅干し』は、梅干しを滅多に食べない人々には“大変な贅沢”だ」、『アフロ画報』

「一人旅に出ざるをえず、好きにならざるをえなかった」
そういえば、はじめから一人旅が好きなわけではなかった。行かざるをえないから一人旅に行っているうちにだんだん慣れてきて、一人旅が好きになったのです。
一人旅してみたい人はまずやってみることかもしれません。失敗するし、不測の事態が起きたりもするけど、慣れは大事です。
とはいえ、山や海などのアウトドアは危険度が違うので、スキルも体力も不足している私は一人では行かず、誰かと行くか、ツアーに参加したり、ガイドさんをお願いしたりしています。

そんな私が旅をしてきて言える一人旅の魅力はこんなことです。

  • 旅のできごとが鮮明に感じられる
    友だちや家族と行く旅行は、一緒に行く人と旅の時間を共有することがいちばんの目的なんだと思います。「この温泉は○○さんが喜びそう」とか「この景色を△△さんと一緒に見たい」とか。
    一人旅は共有する人がいない分、旅先で出会う人やものと自分自身が直接向き合うことになります。見たものや聞いたことが強く印象の残り、帰ってからの旅の記憶も鮮明です。
  • 頼りない自分を実感できる
    一人旅をしてると心細くなることもあるし、この先は行くのやめようかとチキンな心が顔を出すことがあります。事故なく旅をするためには無理をしないことは大切ですが、そのときの心許こころもとない気持ちは日常では感じられない貴重なものです。
    借りた自転車に乗っていて、旅先でけがをしたことがあります。非日常に身をおくと意外とうっかりしたことをやらかします。私はしっかり者ではないことも自覚しました。
  • 暇なのでいろんなことが見えてくる
    列車に一人で乗っているときとか、駅の待合室に一人でいるときは圧倒的に暇ですので、まわりの人を観察したり、地元の人の話を聞くともなく聞いたりします。ローカル線に乗り合わせた高校生やお年寄りの会話とかを聞いていると、その地域の暮らしがチラ見できたりします。そんな暇な時間を過ごしていると、普段の生活のなかでは見えてこないことが突然リアルに感じられることもあります。
  • 細部にこだわった旅ができる
    南西諸島、特に奄美群島には年1~3回くらいのペースで10年くらい通いました。島には古い祭の姿がいまも残っており、特色ある集落の祭を体験したくて、そのために足を運んだこともあります。一人旅はプライベートな小さなお題に添って旅程を組み立てることが可能です。島で見た祭の情景はいまも忘れられません。

一人旅と誰かと一緒の旅はまったく別もので、それぞれ魅力があります。
最初の一人旅は不安になったり臆病になったりしますが、自分のリズムや興味にあわせてカスタマイズできる一人旅というカードは持っておいて損はないと思います。
と、つらつら書きましたが、これからも一人旅を続けて、何か思い出したらまた書きたいと思います。

春夏は庭と畑で雑草に追われる日々。
その合間をぬって日帰りか一泊くらいの鉄道旅。

グラウンドカバーにクラピアを育て、畑は小さな家庭菜園。
一人で快適に暮らす方法なんかも考えています。
自己紹介

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<参考>
*1.旅と鉄道「鉄道ひとり旅」旅と鉄道編集部、2011年11月号

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