やはり「値段の話」は気になりますね。
この春、肥料の値段をチェックしたところ、一昨年の2倍になっている肥料もありました。
農家ほどたくさん使うわけではないけれど、肥料や除草剤は毎シーズン使うものなので、少しでも節約できたらいいですね。
草取りや草刈りを毎年行ってきた経験から、除草剤を節約するコツや工夫していることをご紹介します。
「ジェネリック農薬」とは
ジェネリック農薬とは、特許切れの有効成分でつくった農薬のことで、オリジナルよりも値段が安いのが特徴です。
よく知られているジェネリック農薬は、除草剤のラウンドアップと同じグリホサートを有効成分とするサンフーロンです。サンフーロンは初代ラウンドアップのジェネリック農薬です。
サンフーロンを単独で使用した場合の効果は、ラウンドアップマックスロード(3代目)に適いませんが、展着剤と組み合わせることで、効果アップが期待できます。
展着剤というのは農作物などに農薬を付着させる補助剤のことで、界面活性剤が含まれています。
スギナやドクダミなど根茎が発達した枯れにくい多年生雑草が多い場合は、最新の除草剤(ラウンドアップマックスロード)が適しています。一方、比較的枯れやすい一年生雑草が多い場合は、安価なジェネリック除草剤(サンフーロン)を選択するのもありです。
「展着剤」とは
展着剤とは、農薬(除草剤を含む)の作用を引き出すものです。
植物の葉は水をはじく性質を持っているため、農薬を散布しても簡単に付着せず、液体はすぐに流れ落ちてしまうことがあります。
界面活性剤を主な成分とする展着剤には、散布液の付着性や浸達性などを高めて、農薬の効果を安定的に発揮させる役割をもっています。
すべての除草剤に展着剤が必要なわけではありません。
展着剤の使用を推奨するかどうかは除草剤のラベルで確認できます。
サンフーロンには、除草剤用のエーテル系(石油系)展着剤が最適です。
私は今シーズン除草剤専用の展着剤サーファクタント30を使用しましたが、サーファクタントWKという展着剤もあります。
サーファクタント30は除草剤全般で使用できるのに対して、WKは主に非選択性やシバ用の除草剤で使用します。
混ぜてはいけない展着剤
除草剤と展着剤には相性があります。
除草剤の成分がくっついて固まり、効果がでなかったりノズルが詰まったりするリスクがあります。
ラウンドアップマックスロード、タッチダウンiQ(グリホサートカリウム塩)に陰イオン性の展着剤はNGです。私はエーテル型非イオン性界面活性剤が使われている除草剤専用展着剤のサーファクタント30を使っています。
ホームセンターの棚でよく見かける一般展着剤のダインは陰イオン性界面活性剤が配合されています。
陰イオン性は他にシンダイン、グラミンSなどがあります。
混ぜる順番
クスリを水の中に均一に分散させる働きをもつ展着剤を最初に入れて、次に農薬を入れます。
例外として、泡立ちすぎる展着剤は最後に入れます。
シャワータイプは割高
ラウンドアップマックスロードAL、サンフーロンALなど、名前に「AL」がつく除草剤があります。
ALはapplicable liquidの略で「そのまま散布できるように希釈済み」という意味です。シャワータイプとも呼ばれています。
シャワータイプは面倒な希釈する手間や時間を省くことができて便利な反面、価格は割高です。
最初はシャワータイプを使ってみて、2本目のときに希釈するか、シャワータイプのままでいくか決めてもよいかもしれません。
「石灰」を使う
雨の多い日本では、土壌のアルカリ分(石灰分)が雨水とともに流れてしまうため、土壌が酸性に傾きやすくなります。その結果、酸性を好む雑草が繁茂しやすくなります。
ゼニゴケやスギナなどの酸性土壌を好む植物に対しては、石灰をまいて土壌をアルカリ性に調整することで、その勢いを抑えることができます。
石灰は非常にアルカリ性が強いため、撒く際には保護メガネや手袋を着用して直接触れないようにすることが重要です。