次々と生えてくる雑草は本当に困りものですね。
初夏にはさまざまな植物が花を咲かせると同時に、本格的な草取りが必要になる季節でもあります。だんだん蒸し暑くなるこの時期、効率的に雑草を取り除く方法はないでしょうか。
そこで、毎年の草取りの経験から、5月から6月にかけて雑草が花を咲かせる時期に最適な草取りのコツをご紹介します。
多くの雑草が花を咲かせる初夏
庭や畑に出るのが楽しい季節ですが、気温の上昇とともに雑草が急速に生長する時期でもあります。
梅雨が始まる前に、本格的な草取りをすることをおすすめします。
日差しが強くなるので、帽子や日焼け止めなど、紫外線対策は必須です。
5月 花を刈り取り地上部を小さくする
気温が上がると、スズラン、オダマキ、ヒナゲシ、フランスギクなど、さまざまな花が咲きます。
この時期に花を咲かせる雑草も多く、ジシバリ、ニガナ、クサノオウなどが花を咲かせます。これらの雑草は見た目が似ていますが、ジシバリとクサノオウは一年生雑草で、ニガナは多年生雑草です。
多年生雑草の草取りのポイントは土中の根を取り除くことです。
カマなどを使った本格的な草取りができない場合は、花が咲いているうちに刈り取り、土壌に種子が落ちないようにすることで、翌年以降の発芽を抑えます。
雑草の花を見かけたら、すぐに刈り取って、地上部を小さくしましょう。
夏に花をつけるメヒシバなどのイネ科雑草が芽を出し始めるので、小さなうちに取り除きます。
メヒシバは根元から細い茎を放射状に広がるため、生長すると手で取り除くのに手間がかかります。気づいたときに早めに取り除くことが大切です。
エノコログサ、カヤツリグサ、ヒメジョオンなども生長しはじめます。
6月 大型雑草やつる草を生長前に取り除く
梅雨に入ると、庭や畑の作業が難しくなります。雨の後には、手作業では手に負えないほどに雑草が生い茂る季節でもあります。
セイタカアワダチソウ、オオブタクサ、オオアレチノギクなど大型雑草が生長します。
また、ヤブガラシ、アレチノウリ、ヘクソカズラなどつる草も伸びはじめるので、生垣やフェンスに絡みつく前のつるが若く柔らかいうちに、根元を探して取り除いておくと、真夏の草取りが本当に楽になります。
ゼニゴケを見つけたら、胞子をまく前に取り除く
日陰の地面を覆うように広がるゼニゴケは、5月から6月にかけて、大量の小さな胞子を飛ばして繁殖します。ゼニゴケの繁殖には水が必要なので、梅雨の前に乗り除いておくのが効率的です。
ゼニゴケには草木のような根がないため、除草剤は効きません。酢酸ナトリウムやキノクラミン(ACN)などを主成分とするゼニゴケ専用の駆除剤を使用します。
食酢を水で薄めて撒いたことがありますが、あまり効果がなかったので、いまはコケ専用の駆除剤を使用しています。
本格的な草取りがはじまる初夏(5~6月)
美しさを保つためには、本格的な草取りを年に3回程度行うのが望ましいです。
梅雨を迎える前に草取りを行っておくと、雨水で生長する雑草を減らし、暑い盛りの草取り作業を軽減できます。
6~9月の間は、3週間~1か月に1回のペースで草取りを行うのが理想的です。
雑草が生長する6月に1回目、7月下旬~8月の間に2回草取りを行います。
さらに、10月下旬~11月に4回目を加えると効果的です。
<参考>
*1.西尾剛著『草取りにワザあり!』誠文堂新光社、2019年
**2.神津博監『かんたん!らくらく!草取りのコツ』ナツメ社、2023年
***3.近田文弘監『花と葉で見わける野草』小学館、2017年