クラピアを植えて、失敗したかなと少し後悔したことの1つが雑草です。
クラピアは地面を素早く覆う特性があり、雑草を生えにくくすることができますが、雑草の繁殖力はすさまじく、少しでも土が出ているところがあれば生えてきます。
特に厄介なのはカタバミです。抜いても引き抜いても黄色い花を咲かせるカタバミに毎年頭を悩ませてきました。
私が6年間クラピアを育てた経験をもとに、後悔しないための雑草対策をご紹介します。
グラウンドカバーを検討しているあなたに!
「クラピア」を植えるかどうか迷ってるなら『クラピアのメリット・デメリット』をチェック!
・クラピアのメリット
・私がクラピアを選んだ理由
・クラピアのデメリットとその対策
を詳しくご紹介しています。
しつこい広葉雑草の代表格カタバミ
黄色の小さな花を咲かせるカタバミは、見た目は可愛らしい印象を受けますが、繁殖力は非常に強力で、瞬く間に庭中に広がり、カタバミの黄色い花を庭のあちこちで見るようになります。
クラピアに混ざりこんで生長する雑草のうち、特に厄介なのがカタバミです。
カタバミの除去が難しい理由
取り残した地下茎から再生する
カタバミは地下に根茎(地下茎)を持つ多年草です。
その地下茎は非常に細く、引っ張るとすぐにちぎれてしまうため、手作業で完全に取り除くのは非常に困難です。取り残した地下茎から再び芽が生えるため、一度取り除いても終わりではありません。
ランナー(匍匐枝)で伸びる
カタバミは生長が速く、ランナーを出して横にどんどん伸ばし、思いもよらないところで花を咲かせたりします。
60cmも種子が飛ぶ
花が散った後に、1.5~2.5cmくらいのバナナに似た果実ができます。
この果実の中には種子がたくさん並んでいて、熟すと皮がやぶれて中の種子が飛び出します。その距離は60cmにもなるといわれています。
次から次に花を咲かせ、種子を飛ばすため、一度繁殖を許すと、取り除くのが難しくなります。
クラピアに混ざりこんだカタバミ対策
クラピアと一緒にカタバミを草刈機で刈りこむ
クラピアと一緒に草刈機で刈り込んで目立たなくする方法です。
刈り込んだ直後はカタバミの姿が消えますが、しばらくすると残った根茎から再びカタバミが生えてきます。クラピアの間からカタバミが葉を広げ始めると、やはり気になってしまいます。
まるでキメが整った肌にできたニキビのようです。
ただ、種子ができてしまうとカタバミの陣地がどんどん広がるので、花のうちに刈り取ってタネをつくらせないのは応急処置とはいえとても有効です。
除草剤をカタバミにピンポイント散布する
クラピアにダメージを与えずにカタバミを除去できる除草剤があると便利ですが、いまのところカタバミ(広葉雑草)だけを除草対象とすることは難しく、クラピアへの影響が避けられません。
そうした中で、広葉雑草に効果のあるMCPソーダ塩を試してみました。
「枯殺力は高温になるほど強くなります」と説明書に書かれていることから、クラピアのダメージを最小限にとどめるために気温が25℃以下になった10月上旬に散布しました。希釈倍率は100倍で、除草剤専用の展着剤も併用しました。希釈倍率100倍で水量が1Lのときの薬量は10mLです。
カタバミが複数の場所で繁殖していたため、ハケで塗ることはあきらめて、ハンドスプレーで散布しました。
散布2日後:カタバミの周囲が白く変色しています。
散布8日後:カタバミの葉が減少しているように見えます。クラピアの葉も薄く変色していますが、MCPソーダ塩によるダメージは、葉の変色にとどまっているように見えます。
葉の色が白っぽくなっているのは、クラピアが休眠に入り始めたサインです。
希釈倍率を上げることで、クラピアのダメージを減らせるかどうかは、来年の課題です。ただ、MCPソーダ塩の説明書には「カタバミなどの一部の雑草は枯れにくい場合がある」とも書かれており、ある程度のダメージは避けることができないでしょう。
MCPソーダ塩に限らず、除草剤は気温が低下すると除草剤の効果が弱まったり、効果が現れるまでに時間がかかることがあります。そのため、今後もしばらくの間、経過を見守ることにします。
春にはアージラン液剤を散布したり、カーメックス顆粒水和剤を調べたりと、さまざまな試みをしていますが、まだ試行錯誤の段階です。
クラピアに混ざりこんだカタバミに使用した選択性除草剤
チドメグサやクローバーなどの広葉雑草(葉の形が広い)に対する選択性の除草剤です。
シバ(芝生)はイネ科のため、MCPソーダ塩で大きなダメージはありませんが、クラピアには慎重に使用する必要があります。
少容量のボトルが販売されているので便利です。
展着剤は、散布液の付着性や浸透性を高める効果があります。
枯れにくい雑草であるカタバミの葉に散布液を確実に付着させるために展着剤を混ぜましたが、除草剤のみの散布でも問題ありません。
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<参考>
*1.近田文弘監『花と葉で見わける野草』小学館、2017年