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軽井沢の美術館めぐり旅-セゾン現代美術館(軽井沢)

軽井沢の美術館めぐり旅-セゾン現代美術館(軽井沢)

安東美術館(2022年)、リヒター・ラウム(2023年)など、いまも新しい美術館ができている軽井沢で美術館をめぐってきました。
途中でどしゃぶりの雨になり1時間くらい足止めされ、急に変わる天気に山が近いことを実感しました。

軽井沢を歩く-こんな順で美術館をめぐってきたよ

昭和のモダニズム建築を代表する建築家の一人、吉村順三が手掛けた脇田和アトリエ山荘が公開される日にあわせて、セゾン現代美術館と安東美術館をめぐることが旅の目的です。

軽井沢駅→バス・徒歩→セゾン現代美術館→徒歩・バス→旧軽井沢(バス停)→レストラン酢重正之(ランチ)→徒歩→六本辻→徒歩→脇田美術館→徒歩→安東美術館→徒歩→軽井沢駅

軽井沢駅からセゾン美術館まで約7kmです。セゾン現代美術館は、軽井沢駅のまわりに広がる平坦な土地の北のはずれにあります。自転車でもなんとか行けそうですが、寄り道をする予定がないので、軽井沢駅から草津温泉行のバスで直行します。

セゾン現代美術館-クレーやデュシャンから歴史をたどる

セゾン現代美術館への旅は、美しい庭へと続く道で幕を開けます。
入口からゆるやかな坂を下りると、広々とした庭園が広がり、川のせせらぎが心地よく響き渡ります。美術館を訪れる人を魅了するのは、まずこの庭園の景色です。

セゾン現代美術館(軽井沢)

ここは深い自然に囲まれた場所で、敷地全体が低い土地にあります。川が流れるこの傾斜地が、美術館の建設に際して大切にされたことが感じられます。美術館と自然が調和した特別な場所です。

美術館では現代美術の歴史をたどります。
現代美術の草創期である1910~1920年ころの作品からはじまり、第二次大戦後のアメリカ、ヨーロッパ、日本の現代美術が展示されています。
絵画作品が多数並びますが、私の心に残ったのは立体作品でした。

その中でも特筆すべきは、マルセル・デュシャンの《トランクの箱(ヴァリーズ)》です。この作品は、デュシャンが自身の主要な作品をミニチュアにしてトランクに詰め込んだもので、《大ガラス》以降、表舞台から遠ざかった彼自身が手掛けたものです。

デュシャンと同時代を生きたマン・レイも自身の作品を再制作しているので、この二人の作品からオリジナリティの意味について考えさせられます。(展示作品が再制作された作品かどうかはわかりませんが)

美術館の一室には、アムンゼル・キーファーの《革命の女たち》マグダレーナ・アバカノビッチの《ワルシャワ40体の背中》が展示されており、これらの作品からは死の存在が感じられ、展示室の空気が重く感じられます。それでも、作品は強い存在感を示して、訪れる者を引き込みます。

美術館を進むと、日本の現代美術作家たちの作品があります。その中で、篠原有司男のエネルギッシュなバイクの作品から元気をもらいました。

荒川修作+マドリン・ギンズ「意味のメカニズム」展

企画展「意味のメカニズム」は、荒川修作とマドリン・ギンズが言葉を通じて意味とは何か?を思考するというたいへん概念的な(難しい!)展示で、池袋西武のリブロや六本木WAVEに何度も足を運んだ私としては、セゾングループ=堤清二らしさを感じる企画展でした。

セゾン現代美術館(軽井沢)

美術館の前に広がる庭園は、遊歩道に沿って立体作品が配置され、芸術と自然が絶妙に調和しています。深い森の中にたたずむ作品をめぐることで、心が静かになっていく気がします。

軽井沢ハルニレテラスの村民食堂と星野温泉トンボの湯

セゾン現代美術館にもっとも近いバス停は千ケ滝温泉入口ですが、本数が限られています。(1時間に1本あるかないか)
私は星野温泉トンボの湯でバスを降りて、ゆるい上り坂を歩いて美術館まで向かいました。

バス停はハルニレテラスの北の端にあり、午前中からかなりの賑わいです。バス停の近くに村民食堂とトンボの湯があります。

軽井沢の美術館をめぐる旅、セゾン美術館の次は脇田美術館に向かいます。

▷自転車が気持ちいい!軽井沢を3時間でめぐる旅(軽井沢)
▷冬のはじまりに中軽井沢を歩く旅(軽井沢)

軽井沢の美術館-近代・現代美術編

軽井沢にはさまざまな美術館がありますが、特に近代美術と現代美術に焦点をあてて美術館リストをまとめました。

  • セゾン現代美術館[中軽井沢]
    セゾングループと旧セゾン美術館が収集した国内外の現代美術作品の豊富なコレクションがある。森林のなかにあり、美術館を囲むように設けられた回遊式の庭園では彫刻などの立体作品を見ることができる。冬季(11月下旬~4月上旬)は休館。
  • 軽井沢千住博美術館[南軽井沢]
    現代美術家、千住博さんの作品を展示する美術館。
    自然光を取り入れた展示室で、ザ・フォールなどの代表作を観ることができる。
  • 軽井沢現代美術館[軽井沢駅周辺]
    神田にある海画廊が運営する美術館。
    海外で高い評価を得ている日本の作家を中心に展示しており、作品を購入できるギャラリーが併設されている。
  • 軽井沢安東美術館[軽井沢駅周辺]
    藤田嗣治の個人コレクターが2020年に開設した新しい美術館。
    藤田の作品のなかでも特に少女と猫の作品を多く収蔵・展示している。
  • リヒター・ラウム[軽井沢駅周辺]
    ゲルハルト・リヒターの作品を常設展示するギャラリー。
    ケルン郊外にあるアトリエ・リヒターの一部が再現されている。
  • 脇田美術館[軽井沢駅周辺]
    戦前戦後から平成にかけて活躍した洋画家、脇田和の作品を展示する美術館。美術館に隣接して吉村順三が設計したアトリエ山荘があることでも知られている。

    アトリエ山荘は例年秋に一般公開されています。
    この秋の公開ウィークは見学だけで参加できたので、建築のプロに混じって見学してきました。

軽井沢に行く(東京からのアクセス)

JR在来線を使う場合は、横川駅(群馬)でバスに乗り換えます。
中軽井沢に行くには、軽井沢駅でしなの鉄道かバスに乗り換えます。

  1. 東京駅→北陸新幹線→軽井沢駅[1時間~1時間20分]
  2. 池袋駅→高速バス(西武観光バス)→軽井沢駅[約3時間]
  3. 上野駅→JR高崎線→高崎駅(乗り換え)→JR信越本線→横川駅(乗り換え)→バス(JRバス関東)→軽井沢駅[約3時間]

春夏は庭と畑で雑草に追われる日々。
その合間をぬって日帰りか一泊くらいの鉄道旅。

グラウンドカバーにクラピアを育て、畑は小さな家庭菜園。
一人で快適に暮らす方法なんかも考えています。
自己紹介

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